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桃花
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たうくわ
隋の
文帝の
宮中には、
桃花の
粧あり。
其の
趣相似たるもの
也。
皆色を
衒ひ
寵を
售りて、
君が
意を
傾けんとする
所以、
敢て
歎美すべきにあらずと
雖も、
然れども
其の
志や
可憐也。
袖を
捲いて
面を
拂へば、
遙に
其の
雲の
中に、
韓湘あり。
唯一人、
雪を
冒して
何處よりともなく、やがて
馬前に
來る。
其の
蓑紛々として
桃花を
點じ、
微笑して
一揖す。
叔公其の
後はと。