息災そくさい)” の例文
矢張やはりそうであったか。——わたくしはそなたがまだ息災そくさい現世げんせくらしてるものとばかりおもっていました。一たいいつ歿なくなったのじゃ……。』
老いこそすれ、母はなお息災そくさいであった。けれど自分が側を去ったらいかにお淋しかろうぞ、と彼はすぐそれを思う。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その子が、不出来であろうが、まずい顔をしていようが、まず息災そくさいにすくすくと伸びていくさまを見るほど、心安さはないのである。子供を育てるのは畢生ひっせいの大事業だ。
小伜の釣り (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
見廻しけるに首はおちず何事も無健全まめ息災そくさいなり依て我が家へ立歸りしぞと物語ものがたりしかば娘はうれしく是全く金毘羅樣こんぴらさまの御利益りやくならんと早々うが手水てうずにて身をきよめて金毘羅の掛物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貴殿最もお大事なものを、いわゆる玉として引き上げましたので、悪くお思いくださらぬよう。ご心配ござらぬ、ご心配ござらぬ。お京様にはマメ息災そくさい、機嫌よく笑って遊んでおられる。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そんなら息災そくさいね御座いの、気イ悪せんとな。(病気になるなといふ意)」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
いかに息災そくさいでもすでに五十九、あけて六十にならうといふのが、うちでこそはくる/\𢌞まはれ、近頃ちかごろ遠路とほみちえうもなく、父親ちゝおやほんる、炬燵こたつはし拜借はいしやくし、母親はゝおや看經かんきんするうしろから、如來樣によらいさまをが身分みぶん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「かくのごとく、一家皆、息災そくさいに暮らしおりますが、平常はつい、洛中のおやかたへも、心ならず、ご不沙汰のみを」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毎日まいにち安泰あんたいくらさせていただきましてまこと難有ありがとうございます。何卒なにとぞ明日あす無事ぶじ息災そくさいすごせますよう……。』むかしはこんなあっさりしたのがたいそうおおかったものでございます。
大変暑なったが、そちらも無事か私も息災そくさいに居る。
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
(わかれて七年になる、半兵衛が妹のおゆうは息災そくさいかどうか、途中、立ちよって、消息を問うてみてくれい)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
親類遠縁から故郷の旧知の端にいたるまで、自分を頼みとする者なら心にとめて、その息災そくさいを計っていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうかい。それはまあ、みな息災そくさいで、何よりでした。それにいい便りを聞かして貰ってわしもうれしい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや何。おもとの消息は、風の便りにもよう聞えて来るほどに、便りはのうても、息災そくさいは知れてある」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御内儀の顔を見て、何よりも先に聞かせたいのは、播磨はりまにある娘(利家のむすめを秀吉の養女とせる者)も、姫路の女どもと打ち交じり、至極、息災そくさいに成人したる由じゃ。御安堵あるがよいぞ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故郷ふるさとに独りいる姉上の息災そくさいをまもらせたまえ)
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「隠岐のみかどさえ、ご息災そくさいなら、いつかはきっと」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
息災そくさいかな、散所さんじょ太夫たゆうも」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「筑前の老母は息災そくさいか」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)