“嗽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うが42.9%
すす23.4%
うがい18.2%
うがひ5.2%
くちそゝぐ2.6%
せき1.3%
くちすす1.3%
くちそそ1.3%
すゝ1.3%
そそ1.3%
ゆす1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とん、とん、とん……とその襟元えりもとへ二階から女の足音がすぐ降りて来た。如才じょさいなく彼のそばへ手拭てふきやらうがわんなど取り揃えて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
裏の井戸へ行って、顔を洗う、口をすすぐ。そして彼は、もう暁に近い灯をり直し、気をあらためて、また、彫刀を持ち直した。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ポートサイドでレモンの皮のはいった塩水でうがいをしてスエズ運河の両岸の夜景に挟まれて身の丈を長くした妾は天晴あっぱれ一人前の女になったのです。
孟買挿話 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
今我黒き泥水どろみづのなかに鬱すと、かれらこの聖歌によりて喉にうがひす、これ全きことばにてものいふ能はざればなり 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
物を堅実けんじつにするゆゑ塩蔵しほづけにすれば肉類にくるゐ不腐くさらず、朝夕くちそゝぐに塩の湯水を以すればをかためて歯の命を長くすといふ。玉栗は児戯こどもたはふれなれど、塩の物をかたくするあかしとするにたれり。故にこゝにしるせり。
昨日はおんなを買った。せきは未だ止まぬ。家を変えねばならぬ。東京へ帰ろう。小説「裸婦」にかかるだろう。暫くは又浄書だ、ばかなことだ。末子を嫁に貰おう。
小舎の前の渓水にくちすすぐ。水は、南へと流れる。当面の小山を隔てて、むかいは、西俣の谷になる。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
おどろきてき出すにくされたるなり。くちそそぎて嗽げども胸わろし。この度は水の椀にとりて見るにまたおなじ、次もおなじ。これにて二銭種なしとぞなりける。腹はたてども飯ばかり喰いぬ。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まだすべてがねむりからはなれぬうち皆悉みんなくちすゝいでつてねばならぬのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
音羽おとはの滝にくれなゐくちそそがむ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
私達は、手を洗ひ口をゆすいでから、お賽錢を上げ柏手をうつて拜んだ。それから、他の參拜者の後につゞいて、土牢拜觀の切符を買ひ、社殿の裏手崖下の穴藏の前に立つた。
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)