“微紅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすあか55.6%
びこう22.2%
うすくれない5.6%
うすくれなゐ5.6%
とき5.6%
ほのあか5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むこうの左隅には小さな机があって、その上に秋海棠しゅうかいどうのような微紅うすあかい草花の咲いたはちを乗せてあるのが見えた。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
左手は一番広くてふくろなりに水は奥へ行くほど薄れたふところを拡げ、微紅びこう夕靄ゆうもやは一層水面の面積を広く見せた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
のごとき色の顔は燈火ともしびに映じて微紅うすくれないをさしたり。手足のかぼそくたおやかなるは、貧家のおみなに似ず。老媼おうなへやを出でしあとにて、少女おとめは少しなまりたる言葉にて言う。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼はすぐれて美なり。の如き色の顔は燈火に映じて微紅うすくれなゐしたり。手足のかぼそたをやかなるは、貧家のをみなに似ず。老媼のへやを出でし跡にて、少女は少しなまりたる言葉にて云ふ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
葉の茂みの軟かさにもあるのだろうが一つは微紅とき色をした房花に、少女として自分の膝元に育て上げていた時分の福慈の女神の可憐な瞳の面かげを見出していたのではあるまいか。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
微紅ほのあかめたるまぶた耀かがやきて、いつか宿せるあかつきはなびらに露の津々しとどなる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)