弁当べんたう)” の例文
まくにてかへらんとせしに守る者木戸をいださず、便所べんじよは寺のうしろにあり、空腹くうふくならば弁当べんたうかひ玉へ、取次とりつぎ申さんといふ。我のみにあらず、人も又いださず。
弁当べんたう、ものうりこゑひゞくと、人音ひとおとちかく、けたとおもふのに、には、なにも、ものがえない。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とうさん おひるのお弁当べんたうをもつてきました
まくにてかへらんとせしに守る者木戸をいださず、便所べんじよは寺のうしろにあり、空腹くうふくならば弁当べんたうかひ玉へ、取次とりつぎ申さんといふ。我のみにあらず、人も又いださず。
ひらくでもなしに、弁当べんたう熟々つく/″\ると、彼処あすこの、あの上包うはつゝみゑがいた、ばら/\あし澪標みをつくし小舟こぶねみよしにかんてらをともして、頬被ほうかむりしたおぢいあささまを、ぼやりと一絵具ゑのぐあはいてゑがいたのが
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此時こゝろづきて腰をさぐりみるに握飯にぎりめし弁当べんたうもいつかおとしたり、かくては飢死うゑじにすべし、さりながら雪をくらひても五日や十日は命あるべし、その内には雪車哥そりうたこゑさへきこゆれば村の者也
「ぢやあ弁当べんたうだ」
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人はかじきに雪をこぎつゝ(雪にあゆむを里言にこぐといふ)たがひこゑをかけてたすけあひからうじてたふげこえけるに、商人あきひと農夫のうふにいふやう、今日の晴天に柏崎かしはざきまでは何ともおもはざりしゆゑ弁当べんたうをもたず
弁当べんたう面桶めんつうに入れて持かへりしを人ありてかはを金一両きもを九両にかひけり。
弁当べんたう面桶めんつうに入れて持かへりしを人ありてかはを金一両きもを九両にかひけり。