たふげ)” の例文
「いゝなあ、この山毛欅ぶなぽんが、こゝでみづうみさゝへるはしらだ。」そこへ画架ぐわかてた——そのとき、このたふげみちびいて、羽織袴はおりはかまで、さかかると股立もゝだちつた観湖楼くわんころう和井内わゐないホテルの御主人ごしゆじん
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
中津川は美濃の國なり國境くにざかひ馬籠まごめと落合の間の十こくたふげといふ所なり國かはれば風俗も異なりて木曾道中淳朴じゆんぼくふうは木曾川の流と共にはなれてやゝ淫猥の臭氣あり言語ことばも岐阜と名古屋半交はんまぜとなり姿形すがたかたちも見よげになれり氣候も山を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
駕籠かごを一ちやう駕籠屋かごやが四にんたふげ茶屋ちやややすんだのが、てく/\とかへつてた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すみ先生せんせいよろしく、と挨拶あいさつして、ひとり煢然けいぜんとしてたふげくだ後態うしろつきの、みづうみ広大くわうだい山毛欅ぶなたかし、遠見とほみ魯智深ろちしんたのが、かついくさやぶれて、よろひて、雑兵ざうひやうまぎれてちて宗任むねたふのあはれがあつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)