小六ころく)” の例文
そのかは小六ころくさん、はゞかさま座敷ざしきてて、洋燈ランプけて頂戴ちやうだいいまわたしきよはなせないところだから」と依頼たのんだ。小六ころく簡單かんたん
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まさしくそれは、風呂屋町を出て来た笊組ざるぐみひじ久八きゅうはち荒神十左こうじんじゅうざ、投げ槍の小六ころく大月玄蕃おおつきげんばなどのともがら
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法水は、なにやら云いたげな顔をしたが、その時隅から中山小六ころくが乗り出して来た。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
小六ころくから坂井の弟、それから満洲、蒙古もうこ、出京、安井、——こう談話のあと辿たどれば辿るほど、偶然の度はあまりにはなはだしかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勿論、邸の主は、この海東郷かいとうごう蜂須賀村はちすかむらの土豪で、姓名も代々、蜂須賀はちすかといい、小六ころくと称している。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
達磨だるまはそれぎり話題わだいのぼらなかつたが、これがいとくちになつて、三にんめしまで無邪氣むじやき長閑のどかはなしをつゞけた。仕舞しまひ小六ころくへて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「えゝてよ」と柱時計はしらどけいると、もう四時よじちかくである。御米およねは「四時よじ五時ごじ六時ろくじ」と時間じかん勘定かんぢやうした。小六ころくだまつてあによめかほてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「若旦那行って来い」と宗助が小六ころくに云った。小六は苦笑にがわらいして立った。夫婦は若旦那と云う名を小六にかむらせる事を大変な滑稽こっけいのように感じた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「でも、御客も何もないからいいでしょう。だって六畳の方は小六ころくさんがいて、ふさがっているんですもの」
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)