“寛衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ガウン18.8%
へやぎ18.8%
かんい12.5%
ブザン6.3%
きもの6.3%
くわんい6.3%
シャツ6.3%
ネグリジェー6.3%
バラホン6.3%
ブラウス6.3%
ブルウジ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寝衣ねまきの上へ寛衣ガウン引掛ひっかけながら、宗方博士むねかたはかせを先に、助手の新田進にったすすむ洋灯ランプを持ってとび出して来た。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのかわりに、ずいぶんな古物で、時の破壊力そのものにさえも慈悲をかけられているような、天にも地にも一枚看板の、木綿めんまじりの寛衣へやぎにくるまって過すことにした。
外套 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
ある者どもは腰のまわりに寛衣かんいの一種をまとった丈である——これは全く私を混乱させるに充分であった。
鮎子が春の霞のような白い寛衣ブザンの裾を長々とひき、手に野草の花束を持ち、ちょうど王座のそばのオフィーリヤの等身像そっくりな扮装をしているのは
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そしてそこから、焦茶色の羊毛の引摺るばかりの寛衣きものを着て、鍔のない帽子を被つて、山羊髯を少しばかり顎に持つてゐる年は四十ばかりの男の修道士があらはれた。
トラピスト天使園の童貞 (新字旧仮名) / 三木露風(著)
まばらなマロニエの樹立こだちの中央に例の寛衣くわんいを着けてけんを帯びひさしの広い帽を少し逸反そりかへらしてかぶつた風姿の颯爽さつさうとしたリユウバンスの銅像が立つて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
赤い羽二重の寛衣シャツをつけた人形は、わざとらしい桃色の唇に永劫変らない微笑を泛べ、両手をさし延して何かをき迎えようとしながら、凝っと暗い空洞うつろの眼を前方に瞠っているのだ。
或る日 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
薔薇液を身に浴び、華奢な寛衣ネグリジェーをまとい、寝起きの珈琲を啜りながら、跪拝するバガボンドに流眄をする女は、決して、その情調を一個の芸術家として味って居るのではございません。
C先生への手紙 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
たとへ平日ひらびに訪ねて行つても、いつも、片栗粉でつくつたキッセリの冷たくなつたやつのやうな色あひの、薄手の羅紗で仕立てた寛衣バラホンをまとつてお客を迎へるがの
彼はリンネルの寛衣ブラウスを着て、羅紗ラシャの帽子をかぶり、緑色の眼鏡をかけていたが、この色眼鏡は、おそらく眼のためというよりも
五、河童かっぱの川知らず、山案内ギイドの身知らず。ブルタアニュの漁師の着る寛衣ブルウジにゴム靴という、はなはだ簡便ないでたちをしたどもりのガイヤアルの角灯ランテルヌを先登にして「尖り石ピエール・ポアンチユ」のホテルを出発。