坐蒲團ざぶとん)” の例文
新字:坐蒲団
すこ時間じかんおくれたので、寄席よせ一杯いつぱいであつた。二人ふたり坐蒲團ざぶとん餘地よちもない一番いちばんうしろはうに、立膝たてひざをするやうましてもらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
勘次かんじ草刈籠くさかりかご脊負せおつて巡査じゆんさあといて主人しゆじんいへ裏庭うらにはみちびかれた。巡査じゆんさ縁側えんがは坐蒲團ざぶとんこしけたとき勘次かんじかご脊負せおつたまゝくびれてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うちでは御米およね宗助そうすけせるはる羽織はおりやうやげて、おしかはりに坐蒲團ざぶとんしたれて、自分じぶん其上そのうへすわつてゐるところであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其所そこ最前さいぜん仲働なかばたらきが、おくからちやたばこはこんでたので、宗助そうすけまたかへりはぐれた。主人しゆじんはわざ/\坐蒲團ざぶとんまでせて、とう/\其上そのうへ宗助そうすけしりゑさした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)