“坐蒲団”のいろいろな読み方と例文
旧字:坐蒲團
読み方割合
ざぶとん80.0%
すわりぶとん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宅では御米が、宗助に着せる春の羽織をようやく縫い上げて、おしの代りに坐蒲団ざぶとんの下へ入れて、自分でその上へ坐っているところであった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、足が酷く汚れていたのでひざめいの寝ているらしい奥の間の方へした。黄色い坐蒲団ざぶとんまるめたようなものが見えた。
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
お柏で寝る夜具より三倍ふっくらした坐蒲団すわりぶとん。濃いお茶が入って、お前さんの好きな藤村の焼ぎんとんだよ、おあがり、今では宗旨が違うかい。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乱箱みだればこたたんであった着物を無造作に引摺出ひきずりだして、上着だけ引剥ひっぱいで着込きこんだ証拠しょうこに、襦袢じゅばんも羽織もとこすべって、坐蒲団すわりぶとんわきまで散々ちりぢりのしだらなさ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)