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同
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おんな
ふりがな文庫
“
同
(
おんな
)” の例文
兄さん、これは妹の親切ですか義務ですか。兄さんは
先刻
(
さっき
)
そういう問を私におかけになりました。私はどっちも
同
(
おんな
)
じだと云いました。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ギンは一しょうけんめいに二人を見くらべましたが、二人とも顔も
背
(
せい
)
も着物もかざりも、そっくり
同
(
おんな
)
じで、ちっとも見わけがつきません。
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「猟場番人の、お前の亭主がどうしたのじゃ? お前らの言うことはいつもいつも
同
(
おんな
)
じじゃ。何かが納められないのじゃろう?」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「やっぱりそれも釣瓶鮨屋と
同
(
おんな
)
じようなものじゃないかな。謡曲に『二人静』があるんで、誰か昔のいたずら者が考え付いたことなんだろう」
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
皆
(
みんな
)
、お気の毒だって、やっぱり今の、あの海老屋の寮で養生をして、
同
(
おんな
)
じ部屋だわ。まわり縁の突当りの、丸窓の付いた、池に向いた六畳よ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ひょっとこれがさかさまで、わたしが肺病で、浪の
実家
(
さと
)
から肺病は
険呑
(
けんのん
)
だからッて浪を取り戻したら、
母
(
おっか
)
さんいい
心地
(
こころもち
)
がしますか。
同
(
おんな
)
じ事です
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
繼「そうして斯う男と女と二人で一緒に寝ますと、肌を
触
(
ふれ
)
ると云って
仮令
(
たとえ
)
訝
(
おか
)
しな事は無くっても、訝しい事が有ると
同
(
おんな
)
じでございますとねえ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『それはほんとにだめですよ。つまり君の方でいうと鉛筆で書いたスケッチと
同
(
おんな
)
じことで
他人
(
ひと
)
にはわからないのだから。』
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「このお多福古いもんだすな。何年經つても
同
(
おんな
)
し顏してよる……大かたをツさんの子供の時からおますのやろ。」
鱧の皮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
お頭があって小頭があって、規則があって制裁がある。不足もあれば
生活難
(
くらしにく
)
くもある。案外娑婆と
同
(
おんな
)
じだなあ
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「清ちゃん、お前じゃけに、打ちあける。実は、兄夫婦が、いつも、銭を入れとる
箪笥
(
たんす
)
がある。その箪笥の鍵は、嫂が持っとる。その鍵と
同
(
おんな
)
じ鍵が欲しいとじゃ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
とりわけてこれと
云
(
い
)
ふ……
何處
(
どこ
)
もみんな
同
(
おんな
)
じですがね。……だが、あの
星
(
ほし
)
の
國
(
くに
)
へあそびに
行
(
い
)
つて、
宵
(
よひ
)
のうつくしい
明星樣
(
めうじやうさま
)
にもてなされたのだけは、おらが一
生
(
しやう
)
一
代
(
だい
)
の
光榮
(
くわうえい
)
さ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
『然うですか! ぢや何ですね、貴女と僕と
同
(
おんな
)
じ家に行くんで! これは驚いた。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「井田君、君は初めて
他人
(
ひと
)
の家に泊る時でも
同
(
おんな
)
じ樣に寢られますか」
半日
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
「外の人にはこんな話は出来ません。長年気心も知り合つて
家内
(
うち
)
の人も
同
(
おんな
)
じのお前さんの事だから、私もお話を為るのですけれどね、困つた事が出来て了つたの——どうしたら可からうかと思つてね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「そりゃ、何年か連添うた女房だもの、少しは思いもするさ。斯うしていても忘れられないこともある。けれども最早いくら思ったって仕様がないじゃないか。宮ちゃんの、その人のことだって
同
(
おんな
)
じことだ。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
みんな
同
(
おんな
)
じ顔なのでございます。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
「
同
(
おんな
)
じぐらいだろ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の量は
同
(
おんな
)
じだ
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
「じゃあ、そいつも
同
(
おんな
)
じこったなあ。」と車掌は考え込むように言った。「おれだってまるっきりわかんねえんだからな。」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「お重また怒ったな。——佐野さんはね、この間云った通り
金縁眼鏡
(
きんぶちめがね
)
をかけたお
凸額
(
でこ
)
さんだよ。それで好いじゃないか。何遍聞いたって
同
(
おんな
)
じ事だ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昼でも暗いのだから、
暮合
(
くれあい
)
も
同
(
おんな
)
じさ。別に夜中では無し、私は何にも思わなかったんだが、
極
(
きま
)
って
腕車
(
くるま
)
から下りる処さ、坂の上で。あの急勾配だから。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「このお多福古いもんだすな。何年
経
(
た
)
つても
同
(
おんな
)
し顔してよる……大かたをツさんの子供の時からおますのやろ。」
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「何んて因果な野郎だろう、心臓をえぐり取られるとは。そんな病気って有るもんだろうか?……つまり蛙と
同
(
おんな
)
じさね。内臓を出して洗うんだからな。おや!」
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「勿論君と
同
(
おんな
)
じさ」と彼は言下に勇ましく答えたものです。私は中学の一年頃から、将来文科大学を卒業して、偉大なる芸術家になるのだと揚言して居たのです。
金色の死
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いいえ、あの
娘
(
こ
)
だけは二た月ばかり前から、この
対岸
(
むかい
)
にいるんです。あなたでも
同
(
おんな
)
じですけれど、こんなになると、情合はまったく本当の親子と変りませんわ」
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
容色
(
きりょう
)
も悪くはなし年だって私と
同
(
おんな
)
じなら未だいくらだって嫁にいかれるのに、ああやって一生懸命に奉公しているんだからね。全く
普通
(
なみ
)
の
女
(
もの
)
にゃ
真似
(
まね
)
が出来ないよ。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
山「なにそんな事は有りません、おかしい事が無くて
同
(
おんな
)
じと云うわけは有りやアしません……だからいけない、互に観音様へ参る身の上だから、
先
(
せん
)
に私が別に寝ようと云ったんだ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『然だ、
同
(
おんな
)
じ風に吹かれて一緒に鳴り出したんだ。』
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「すまんこたない。おれも
同
(
おんな
)
じよ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
肯定の返事をすると、「じゃあこれと
同
(
おんな
)
じ葡萄酒をもう一パイント
★
おれに持って来てくれ、給仕。それから十時になったらおれを起しに来てくれ。」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
ありゃ名でもって
同
(
おんな
)
じような申分のあるのが出来るのは、土地に因るんだとね。かえって利口なのも有るんだって。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「なぜでも、ちゃんとつまるんです。画なんぞ
描
(
か
)
いたって、描かなくったって、つまるところは
同
(
おんな
)
じ事でさあ」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんなにも
同
(
おんな
)
じ顔かしら? 初めて知ったよ、面白くもない、口惜しかったら物を云ってごらん。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其様
(
そん
)
な
叮嚀
(
ていねい
)
な事を云っちゃアいけねえ、マア早い話が
宜
(
い
)
い、新吉、三藏さんと云ってな、
小質
(
こしち
)
を取って居る
家
(
うち
)
の一人娘、江戸で屋敷奉公して十一二年も勤めたから、
江戸子
(
えどっこ
)
も
同
(
おんな
)
し事で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「はじめよりか幾らか違ふやうですが、でも
昨日
(
きのふ
)
と較べたら
同
(
おんな
)
じです。」
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
『お産をすると
同
(
おんな
)
じだね』
火星の芝居
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
貴下は、もう、今じゃこんなにおなりですから、私は要らなくなったでしょうが、私は今も、今だって、その時分から、何ですよ、
同
(
おんな
)
じなんです、謹さん。
女客
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ「へえ、やっぱり
同
(
おんな
)
じ病気でね。お気の毒だね。いくつでお亡くなりかえ、その
方
(
かた
)
は」などと聞いた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
本「
左様
(
そう
)
ですが
天道干
(
てんとうぼし
)
という奴ア商いの
有無
(
あるなし
)
に拘わらず、
毎晩
(
めいばん
)
同
(
おんな
)
じ
所
(
とけ
)
え出て
定店
(
じょうみせ
)
のようにしなけりゃアいけやせんから、寒いのを辛抱して出て来たんですが、雪になっちゃア当分喰込みです」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その鳥の羽根は、ウイリイが
先
(
せん
)
にひろった羽根と
同
(
おんな
)
じ羽根でした。ウイリイは、犬から
教
(
おそ
)
わっていたので、そっとその鳥のそばへ行って、しっぽについている、一ばん長い羽根を引きぬきました。
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「おい、こいつア
同
(
おんな
)
じだ」
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
按摩だ、がその按摩が、
旧
(
もと
)
はさる大名に仕えた士族の
果
(
はて
)
で、聞きねえ。私等が流儀と、
同
(
おんな
)
じその道の芸の上手。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうせ誰を持って行っても気に入らない貴方なんだから、つまり誰を持たしたって
同
(
おんな
)
じだろうって云う訳なんです。貴方にはどんな人を見せても駄目なんですよ。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花を
揷
(
さ
)
して置きさえすれば宜しい、
何処
(
どこ
)
へ葬っても
同
(
おんな
)
じだが、因縁とか
何
(
なん
)
とか云うので、お久の伯父さんを
便
(
たよ
)
って二人で逃げて来て、師匠の祟りで殺したくもねえ可愛い女房を殺したのだが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こちらのよりも稍古りた疊の端が見える外には何一つ異つた容子もない。もとよりそれ以上中を覗き込む事は出來ない。じつと立つて耳を澄まして見たが、もう平生と
同
(
おんな
)
じに何の話し聲も聞えない。
女の子
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
土手など通ると、
余所
(
よそ
)
の
児
(
こ
)
が母親に手を
曳
(
ひ
)
かれて
行
(
ゆ
)
くのを見たり、面白そうに遊んでいるのを見るたびに、
同
(
おんな
)
じ人間がなぜだろうと、思わぬ時といってはない。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
うせ
誰
(
だれ
)
を
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つても
気
(
き
)
に入らない
貴方
(
あなた
)
なんだから、つまり
誰
(
だれ
)
を
持
(
も
)
たしたつて
同
(
おんな
)
じだらうつて云ふ訳なんです。
貴方
(
あなた
)
には
何
(
ど
)
んな
人
(
ひと
)
を見せても駄目なんですよ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かぢ「いけませんよ、まア戴いたも
同
(
おんな
)
じことですから許して下さい」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何、どうでもいゝよ。
同
(
おんな
)
じだもの。」
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
“同”の意味
《名詞》
(ドウ)文書中、叙述が記載である場合の表現。
(出典:Wiktionary)
同
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“同”を含む語句
同胞
同一
同伴
同情
一同
同志
同行
同伴者
同僚
同様
共同
同時
同人
同級
御同伴
異口同音
同衾
同朋町
同腹
同年
...