半日はんにち
地には雪、空も雪の樣に白み渡つて家並ばかりが黒く目立つ日曜日の午後晩く相島は玄關にあつた足駄をつツかけて二町計りの所に郵便を入れに行つた。歸り路に曲り角で往來を見渡したがそれらしい橇の影も見えぬ。「今日は廢めたのか知らん」と思ひながら横道を …
題名が同じ作品
半日 (旧字旧仮名)森鴎外 (著)