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せん
ふりがな文庫
“
仙
(
せん
)” の例文
是
(
こ
)
れ永楽帝の
懼
(
おそ
)
れ
憂
(
うれ
)
うるところたらずんばあらず。
鄭和
(
ていか
)
の
艦
(
ふね
)
を
泛
(
うか
)
めて遠航し、
胡濙
(
こえい
)
の
仙
(
せん
)
を
索
(
もと
)
めて遍歴せる、密旨を
啣
(
ふく
)
むところあるが如し。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お
仙
(
せん
)
と云う下女が来て、
昨夕
(
ゆうべ
)
桂川
(
かつらがわ
)
の水が増したので門の前の
小家
(
こいえ
)
ではおおかたの荷を
拵
(
こしら
)
えて、預けに来たという話をした。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
神
(
しん
)
ならず、
仙
(
せん
)
ならずして、
然
(
しか
)
も
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
、
彼處
(
かしこ
)
に
蝶鳥
(
てふとり
)
の
遊
(
あそ
)
ぶに
似
(
に
)
たり、
岨
(
そば
)
がくれなる
尾
(
を
)
の
姫百合
(
ひめゆり
)
、
渚
(
なぎさ
)
づたひの
翼
(
つばさ
)
の
常夏
(
とこなつ
)
。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ここまで行くとお
仙
(
せん
)
ははっと言葉を切りました、うっかり倅の定吉——あの智恵の足りない定吉に、あらぬ疑いが行ってはならぬと思ったのでしょう。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
仙梅日記
(
せんばいにっき
)
』には駿州
梅
(
うめ
)
ヶ
島
(
しま
)
・
仙
(
せん
)
ヶ
俣
(
また
)
の旅行において、一人の案内者が山中さんに話した。雪の後に山男の足跡を見ることがある。二尺ほどの大足である。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
やがて三十七、八であろうが年の割に老けて見えるらしい女が、番町の青山播磨の屋敷の台所口に立って、つつましやかに案内を求めると、下女のお
仙
(
せん
)
が奥から出た。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
然し
斯様
(
こん
)
な特別のは別にして、彼が
村居
(
そんきょ
)
六年の間に
懇意
(
こんい
)
になった乞食が二人ある。
仙
(
せん
)
さんと
安
(
やす
)
さん。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
やがてはわがその頃の作品の批判に移りて、かかる種類のものにては
笠森
(
かさもり
)
お
仙
(
せん
)
が一篇
詞
(
ことば
)
最もおだやかに
想
(
こころ
)
最もやはらかに形また最もととのひしものなるべしと語られけり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
振り向いてみると、同じ長屋にいる屠牛場の
仙
(
せん
)
さんだった。仕事場からの帰りとみえて、仙吉は片っぽの手に竹の皮包みをぶらさげて、少し異様な眼をして彼を見つめた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
持ツて来ます爺やから取りましたのでございますが、さう申しては不躾ですけれども、十
仙
(
せん
)
に二枚でございます。家にじツとしてゝ取ります方が、
何
(
ど
)
の位お
廉
(
やす
)
いか知れませんです。
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
その隙に盗賊はみるみる遠ざかったので、またあとを追うて行ったが、邪魔な首をふところへ入れてしまったせいか、男の逃げ足の速さはにわかに
神
(
しん
)
か
仙
(
せん
)
か
妖
(
よう
)
か、人間とは思えなんだ。
猿飛佐助
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ふたりは思い思いの
憂欝
(
ゆううつ
)
をいだいて家へ帰った、母は戸口に立ちどまって深い
溜
(
た
)
め
息
(
いき
)
をついた、かの
女
(
じょ
)
は
伯母
(
おば
)
のお
仙
(
せん
)
をおそれているのである、伯父は親切だが伯母はなにかにつけて
邪慳
(
じゃけん
)
である
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
中学校の時には、この句は、ただ、親しい友が遠くから、ひょっこりたずねて来てくれるのは
嬉
(
うれ
)
しいものだ、というだけの意味のものとして教えられた。たしかに、漢文のガマ
仙
(
せん
)
が、そう教えた。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「李白一斗詩百篇、
自
(
みずか
)
ら
称
(
しょう
)
す
臣
(
しん
)
はこれ
酒中
(
しゅちゅう
)
の
仙
(
せん
)
」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
花賣娘
(
はなうりむすめ
)
名
(
な
)
はお
仙
(
せん
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
唯
(
ただ
)
一つ、お絹には、姉によく似たお
仙
(
せん
)
という妹があり、同じ両国の水茶屋に奉公して、艶名を謳われて居りましたが、姉を変死させた江島屋の宗三郎を
猟色の果
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鏡に
対
(
むか
)
うときのみ、わが頭の白きを
喞
(
かこ
)
つものは幸の部に属する人である。指を折って始めて、五年の流光に、転輪の
疾
(
と
)
き
趣
(
おもむき
)
を解し得たる婆さんは、人間としてはむしろ
仙
(
せん
)
に近づける方だろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
このいきおいにおされてお
仙
(
せん
)
はぶつぶついいながらもやはり働きだした。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「
神
(
しん
)
か、
仙
(
せん
)
か、
妖
(
よう
)
か」
猿飛佐助
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
元の座頭
久米
(
くめ
)
の
仙
(
せん
)
八の女房で、女の曲藝師としてその美しさを鳴らしましたが、亭主の仙八の死んだ後は、進んで樂屋の雜用を引うけ、近頃ぐん/\人氣の出て來た
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
神田明神前にささやかな水茶屋を営んで居る
仁兵衛
(
じんべえ
)
の娘お駒、
国貞
(
くにさだ
)
の一枚絵に描かれたほどの美しさで、享保明和の昔の、お
仙
(
せん
)
お
藤
(
ふじ
)
にも優るだろうと言われた評判娘が
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今ここへ見えたのは、
十軒店
(
じゅっけんだな
)
の
八百徳
(
やおとく
)
の主人だ。一人娘のお
仙
(
せん
)
を、同じ商売仲間の
末広町
(
すえひろちょう
)
の
八百峰
(
やおみね
)
の跡取り息子に嫁にやるについて、俺の力が借りたいと言うのだよ」
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今ここへ見えたのは、
十軒店
(
じゅっけんだな
)
の
八百徳
(
やおとく
)
の主人だ。一人娘のお
仙
(
せん
)
を、同じ商売仲間の
末広町
(
すえひろちょう
)
の
八百峰
(
やおみね
)
の跡取り息子に嫁にやるについて、俺の力が借りたいと言うのだよ」
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
徳川末期の江戸を彩った、血みどろの世界が、「
団七九郎兵衛
(
だんしちくろべえ
)
」になり「
稲田新助
(
いなだしんすけ
)
」になり、「
直助権兵衛
(
なおすけごんべえ
)
」になり、そして怨を含んで殺されて行く「
笠森
(
かさもり
)
お
仙
(
せん
)
」の美女殺戮の図となったのです。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
仙
常用漢字
中学
部首:⼈
5画
“仙”を含む語句
仙女
水仙
仙人掌
仙洞御所
友仙
仙女香
遊仙窟
仙台
鳳仙花
中仙道
仙境
気仙沼
仙北
仙家
黄水仙
仙人草
仙術
神仙譚
水仙花
水仙月
...