人骨じんこつ)” の例文
これはたいてい赤貝あかがひるい貝殼かひがらゑぐき、その周圍しゆういばかりをのこして前腕まへうでにはめむでのでありまして、石器時代せつきじだい墓場はかばから人骨じんこつ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
これくらい長い間熱すると、人間の肉や皮は燃えおち、人骨じんこつさえ、もう形をとどめず、ばらばらとなって、一つかみの石灰いしばいとしか見えなくなる。
遺骨ゐこつは三四たい合葬がつそうした形跡けいせきがある。其所そこにも此所こゝにも人骨じんこつよこたはつてるが、多年たねん泥水どろみづしたされてたので、れると宛然まるでどろごどく、かたちまつた取上とりあげること出來できぬ。
死亡者は如何ゐか取扱とりあつかひしか、普通ふつうの塲合は反つて知り難けれど、死者中の或る者を食ふ風習ふうしふの有りし事は、貝殼かいがら、獸骨、等に混じて破碎せる人骨じんこつの遺れるに由りて知るを得るなり。(第四回參照)
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
捜査は、とくに針目博士の安否あんぴ重点じゅうてんをおいておこなわれたが、前にのべたように博士のすがたは発見できなかった。また人骨じんこつ一片いっぺんすら見あたらなかった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはいしかん一方いつぽうけたようなかたちのものや、つゞみかたちをした土製品どせいひんで、まへまをした石器時代せつきじだい墓場はかばから、よく人骨じんこつみゝのあたりで發見はつけんされるのであります。(第四十一圖だいしじゆういちず
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其代そのかはりに奧壁おくかべから一しやくずんへたてて、一れついしならべてあり、それから三じやくへだてて、まただいれついしならべてある。其間そのあひだに、人骨じんこつ腐蝕ふしよくしたのが二三たいどろごどくなつてよこたはつてる。鐵鏃てつぞくがある。
「これア大変なものが見える。大川さん。火床の中に、人骨じんこつらしいものが散らばっていますぜ?」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この石器時代せつきじだいはかから人骨じんこつ調しらべますと、今日こんにち北海道ほつかいどうのこつてゐるアイヌに性質せいしつほねもありますが、またむしろ今日こんにち日本人につぽんじんちかく、アイヌとは大分だいぶちがつたほねもありますので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
發見はつけんしたのは、明治めいぢ四十ねんぐわつの四で、それは埋立工事うめたてこうじもちゐるために、やまつち土方どかた掘取ほりとらうとして、偶然ぐうぜん其怪窟そのくわいくつ掘當ほりあてたのであるが、いはやなかから人骨じんこつ武器ぶき玉類たまるゐ土器等どきなどたのでもつ
第二に、もしそんなことがあったとしても、人骨じんこつばかりにするというようなひどい殺し方をやる者が、われわれ仲間にあろうとは信じられない。しかも昨日の今日のことだからね
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
満足な身体をもった人間は、ただの一人も艇内に発見されなかったけれど、千切れた腕や脚や、そのほかたしかに人骨じんこつと思われるものが血にまみれて、艇内におびただしくちらばっていた。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
正吉は、人骨じんこつにもなれ、こわごわながら、そばへよって人骨をながめた。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しばらく行くと、一行は、岩根に、おびただしい人骨じんこつを発見した。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)