二重にぢう)” の例文
翌日よくじつめると、依然としてのうの中心から、半径はんけいちがつたえんが、あたま二重にぢうに仕切つてゐる様な心持がした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こゑふるへ、をのゝいて、わたしたち二十人にじふにんあまりをあわたゞしく呼寄よびよせて、あの、二重にぢう三重さんぢうに、しろはだ取圍とりかこませて、衣類きもの衣服きものはななかに、肉身にくしん屏風びやうぶさせて、ひとすくみにりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昨夕ゆふべ飲んだ麦酒ビールこれくらべるとおろかなものだと、代助はあたまたゝきながら考へた。さいはひに、代助はいくらあたま二重にぢうになつても、脳の活動にくるひを受けた事がなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たゞ始終論理に苦しめられてゐたのは事実である。それから時々とき/″\あたま中心ちうしんが、大弓だいきうまとの様に、二重にぢうもしくは三重さんぢうにかさなる様に感ずる事があつた。ことに、今日けふあさから左様そんな心持がした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)