“不良”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わる37.5%
ふりょう12.5%
わるい8.3%
ふりやう8.3%
よくな4.2%
いけねえ4.2%
ならず4.2%
ふれう4.2%
よから4.2%
よたもの4.2%
4.2%
バラケツ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『これ、お作や。御辞儀しねえかよ。其様そんな他様ひとさまの前で立つてるもんぢや無えぞよ。奈何どうして吾家うちの児はう行儀が不良わるいだらず——』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
不良ふりょうどもは往来でとんぼをきります。お寺のかねがなりわたります。いやはや、どこもここも、大にぎやかなことでした。
「いえ、なに、私は脳が不良わるいものですから、あんまり物をみつめてをると、どうかすると眩暈めまひがして涙の出ることがあるので」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
不良ふりやう少女せうぢよ沒落ぼつらく」といふ標題みだしもとに、私達わたしたち前後ぜんごしての結婚けつこんを×あたりに落書らくがきされてから、みなもうまるねんすごしました。Kさんがまづ母となり、あなたも間もなく母となりました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「ほんとうにいんですか。まだ血色が不良よくないようだが……。何しろ、飛んだ災難でお気の毒でしたねえ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
幸「鯉こくなどは此処へはいのが来る、信州から来るのは不良いけねえのがあるという……これは結構……ウム鯉のこけなどを引いたのア不思議で、鱗がちっとも無いねえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
蜆っ貝を目っけながら、二人の不良ならずは城下外れの、盛り場までやって来た。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
午後ごゞいたりて、如何どう天候てんこう不良ふれうである。それで女連をんなれんだけきへへさうとした。
と答うれば、戸をひらきて、医師とともに、見も知らぬ男り来れり。この男は、扮装みなり、風俗、田舎漢いなかものと見えたるが、日向ひなたまばゆき眼色めつきにて、上眼づかいにきょろつく様、不良よからやからと思われたり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
恐らく何處かの野良犬が、この界隈で餌をあさつて居るか、街の不良よたもの共が、狼の聲色こわいろでも使つて、女子供を脅かして居るんだらうと思つたのです。
不良るかったら何時でも帰ってくるから、その時はまた面倒をかけますよ。——内儀さんは眼をしょぼしょぼさせながら黙って私の言葉を聞いていたが
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
娘をくれたろうと思てたのに、ほんまに愛想がつきてしまった、碌でなしの不良バラケツといわれて豹一の眼は光った。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)