不意打ふいうち)” の例文
と、金博士はちょっと不意打ふいうちのおどろきを示した。しかし大統領は割合わりあいにおちついていた。そして冬瓜とうがんのような顔をしかめていった。
その不意打ふいうちの行為が僕の父の矜尚の過程に著しいさまたげを加へたから父は忽然こつぜんとして攻勢にでたのではなかつたらうか。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
南無三なむさん。」とわたくし逡巡しりごみした。おほく白晢はくせき人種じんしゆあひだ人種じんしゆちがつた吾等われら不運ふうんにも彼等かれらとまつたのである。わたくし元來ぐわんらい無風流ぶふうりうきはまるをとこなのでこの不意打ふいうちにはほと/\閉口へいこうせざるをない。
「この見当けんとうだと心得てさえいたならば、ああ不意打ふいうちを食うんじゃなかったのに」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それについてひめすこしくお言葉ことばにごしてられましたが、うやら小碓命様おうすのみことさまのその御立寄おたちよりかならずしも不意打ふいうちではなく、かねてときみかどから御内命ごないめいがあり、わば橘姫様たちばなひめさまとお見合みあいめに
全く不意打ふいうちをくらったので、びっくりした。だが、竹見は、こういうときのしぶとさについては、人後におちない自信があった。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それをだ、むやみにあざ笑ったり、またわれわれをおそろしがらせたり、不意打ふいうちのひどい攻撃を加えたりするのはまちがっていないかと思うが、どうだ
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なにしろ不意打ふいうちの空襲である。今もし、そこで、機上から機銃掃射そうしゃか、爆弾でもなげつけられれば、南極派遣軍は、たちまち全滅とならなければならなかった。
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
はじめから安心しきって来ただけに、彼女はこの不意打ふいうち狼狽ろうばいするしかなかった。あの入口には、きっともう、扉をしめるとがちゃんと閉る自動錠がかかっているのであろう。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
全く不意打ふいうちだった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)