下々しも/″\)” の例文
こそ智慧伊豆ちゑいづ下々しも/″\にては評判も致し御筆頭ひつとうと申し其許樣そのもとさまに上越す御役人はこれあるまじとの評判に候と申さるゝに伊豆守殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三十そこ/\で、放埒で、我儘で、惡く賢こくて、なまじ下々しも/″\の事に通じて居ては、凡そ扱ひにくい典型的な殿樣です。
れにても同胞はらからかとおもふばかりの相違さうゐなるに、あやしきは母君はヽぎみ仕向しむけにて、流石さすがかるがるしき下々しも/″\たちへだてはけれども、おな物言ものいひの何處どこやらがく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
又女房を金の抵当かたに取るなどとはしたないことはなさる筈がない、そんなことは下々しも/″\ですること、先生はよもや御得心のことではあるまい、何か頓と分りませんから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こんなに騒ぐところを見ると、下々しも/″\では生活くらしが苦しいんでせうね。」夫人は悲しさうな顔をした。「いかがでせう、騒ぎが少し鎮まりましたら御一緒に貧民の視察にでも出掛けましては。」
もっともこのかたち古墳こふんは、むかしでもえらひとはうむるためにつくつたものでありまして、天皇樣てんのうさまだとか、皇族こうぞく方々かた/″\御墓おはかおほもちひたのでありまして、下々しも/″\のものはやはり、まるつかもちひたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「利助、平次、これは容易ならぬぞ、手柄爭ひをする時ではない。二人心を併せて下手人を探し出してくれ、下々しも/″\の騷ぎは、何時かは必ずお上のお耳に入る」
縫「へえ中々下々しも/″\ではういう結構なお菓子を見る事は出来ません、頂戴致します、有難う存じます」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こいつは大名屋敷の女部屋にあるといふ話は聽いたが、下々しも/″\でこんな仕掛を見たのは初めてだよ。この棧をおろして置くと、外からは障子を破りでもしなければ、先づ開ける工夫はあるまいな」
銭形平次捕物控:130 仏敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)