ウヘ)” の例文
マダ ヒノ デナイ ウチカラ ヲトコハ ハタケノ マンナカノ ヲカノ ウヘニ ノボツテ、ラツパヲ フクノデ アリマシタ。
ヒロツタ ラツパ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
その音が上の語の語尾音と合して一音となることがある(荒磯アライソ—ありそ、ウヘ—をのへ、イヘ—わぎへ、漕ぎで—こぎで)。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
泉さんは、柳田先生などゝ同年代の若い時代を過ぎて来られたのだから、先生同様、私より一まはり以上はウヘの筈である。
鏡花との一夕 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
巌岩イソウヘに生ふる馬酔木アシビを」と聞えたので、ふと、冬が過ぎて、春もけ初めた頃だと知つた。おれのムクロが、もう半分融け出した時分だつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ウマノ ウヘニ ソリカヘツテ ヰル ユメヲ ミテ ヰルト、ヤガテ ヨガ アケテ アサニ ナリマシタ。
ヒロツタ ラツパ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
「御湯殿のウヘの日記」は、其書き続がれた年代の長さだけでも、為事の大事であつた事が訣る。元は、御湯殿における神事を日録したものらしい。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソコデ タウトウ イチバン イタダキニ ヰタ ツボミガ オメメヲ ヒライテ ハナニ ナリマシタ。ソレカラ ツギツギニ ツボミタチハ ウヘノ ハウカラ シタノ ハウヘ ヒライテ イキマシタ。
ウマヤノ ソバノ ナタネ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
思ふ存分怒りを表現なさるウヘ御氣色ミケシキに觸れて困つたことも、度々あつた。あんな凄さとも違つてゐる。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソノ トキ ハナタチノ アタマノ ウヘ
ウマヤノ ソバノ ナタネ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
此が物産の為一方の、謂はゞ藩の手代見た様な者に過ぎないのです。平戸の城代は、郷野浦のウヘ武生水ムシヤウヅのおたち山に来てゐたのですが、此とは何の交渉もありません。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かうつと——姉御が、墓の戸で哭きワメいて、歌をうたひあげられたつけ。「巖石イソウヘに生ふる馬醉木アシビを」と聞えたので、ふと、冬が過ぎて、春もけ初めた頃だと知つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
かうつと——姉御が、墓の戸で哭きワメいて、歌をうたひあげられたつけ。「巖石イソウヘに生ふる馬醉木アシビを」と聞えたので、ふと、冬が過ぎて、春もけ初めた頃だと知つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
屋敷中の人々は、ウヘ近くツカへる人たちから、垣内カキツの隅に住む奴隷ヤツコ婢奴メヤツコの末にまで、顏をカヾヤかして、此とり沙汰を迎へた。でも姫には、誰一人其を聞かせる者がなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
屋敷中の人々は、ウヘ近くツカへる人たちから、垣内カキツの隅に住む奴隷ヤツコ婢奴メヤツコの末にまで、顏をカヾヤかして、此とり沙汰を迎へた。でも姫には、誰一人其を聞かせる者がなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
屋敷中の人々は、ウヘ近くツカへる人たちから、垣内カキツの隅に住む奴隷ヤツコ婢奴メヤツコの末にまで、顔を輝かして、コノとり沙汰ザタを迎へた。でも姫には、誰一人其を聞かせる者がなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この聖職、漸く本義を忘れられて、大嘗の時のほかは、低い女官の平凡な務めになっていった。「御湯殿のウヘの日記」は、その書きがれた年代の長さだけでも、為事の大事であったことがわかる。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)