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一刀
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いつたう
が、
大牛が
居る、
妻の
囚はれた
魔の
城である……よし
其が
天狗でも、
気を
散らす
処でない。
爰に
一刀を
下ろすは、
彼を
救ふ
一歩である、と
爽かに
木削を
散らして
一思ひに
刻果てた。
七
尺有餘の
猛狒は
苦鳴をあげ、
鮮血を
吐いて
地上に
斃れた。
私と
少年とは
夢に
夢見る
心地。
韋駄天の
如く
其傍に
走り
寄つた
時、
水兵は
猛獸に
跨つて
止めの
一刀、
海軍士官は
悠然として
此方に
向つた。