“ブリキ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ぶりき
語句割合
錻力28.1%
鉄葉21.9%
葉鉄12.5%
薄葉鉄9.4%
鐵葉6.3%
亜鉛3.1%
洋鉄3.1%
薄片鐵3.1%
薄鉄板3.1%
薄鉄葉3.1%
鉄板3.1%
3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二年ぜんの記憶をまざまざと喚び起した私は、顔の皮膚が錻力ブリキのようにこわばるのを感じた。お辞儀を返したかどうか記憶しないまま突立っていた。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
町には古い火の見やぐらが立っていた。櫓のさきには鉄葉ブリキ製の旗があった。その旗は常に東南の方向になびいていた。北西の風が絶えず吹くからである。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
四角な葉鉄ブリキを火の上に置いて鶏をのせ、その上に銅の深鍋をひっくりかえしにかぶせて、一時的のオーヴンを設け、銅鍋の底で炭火を起し、鶏がうまくロースト出来る迄
子がづる薄葉鉄ブリキの太鼓、そのあか片面かたも剥げしに、土盛りて、せめて植ゑむと、福寿草霜に抜き来ぬ、二株三株。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
出がらしになつた急須の茶滓を茶碗の一つに空けて、机の下から小さい鐵葉ブリキの茶壺を取出したが、その手付がいかにもものぐさ相で、私の樣な氣の早い者が見ると、もどかしくなる位緩々のろ/\してゐる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
これは亜鉛ブリキのゾラ、擬ひの自然主義だ。
懐疑的宣言 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
その「浅ましい」一つの穴で……部屋は真暗まっくら、がたがた廊下の曲角に、洋鉄ブリキ洋燈ランプ一つ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薄片鐵ブリキを塗りて葉となしたる蔓艸つるくさは、幾箇のさゝやかなるあづまやに纏ひ附きて、その間には巧に盆栽の橘柚オレンジ等をならべたり。亭の前なる梢には剥製の鸚鵡あうむまりたるあり。
その薄鉄板ブリキ製の茶箱の前後に、生来キョトキョトと落着かぬ視線を走らせて眺めるところ、これは十年ぐらい前には確かに自動車であったに違いない
薄鉄葉ブリキ切るはさみおと
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鉄板ブリキたたく響きや、裏町らしい子供の泣き声などが時々どこからか聞えて来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
(白酒をおあがり、晋ちゃん、私が縁起直しに鉢の木を御馳走しよう。)と、ブリキ落しの長火鉢の前へ、まないたと庖丁を持出して、雛に飾った栄螺さざえはまぐりをおろしたんだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)