“片面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたおも25.0%
かためん25.0%
かたも16.7%
かたづら8.3%
かたッつら8.3%
これ8.3%
はんおもて8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行灯あんどんの灯が片面かたおもを照して居るせいもあるでしょう、何時いつしたたるような美しい顔が、妙に引緊ひきしまって、畳に突いた片手は、ワナワナとふるえて居ります。
黄金を浴びる女 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
茶色ちゃいろ表紙ひょうしに青いとじ糸を使い、中のかみ日本紙にほんし片面かためんだけにをすったのを二つりにしてかさねとじた、純日本式じゅんにほんしき読本とくほんでした。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
子がづる薄葉鉄ブリキの太鼓、そのあか片面かたも剥げしに、土盛りて、せめて植ゑむと、福寿草霜に抜き来ぬ、二株三株。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
不二の尾はいまだはねむれ天つ辺の片面かたづらよ紅みさしつつ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
向うが見えるようになって居りますから、左の方を見たいと思うと右のほゝばかり洗って居りますゆえ、片面かたッつらあかぶちになっているお人があります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と駈出してにげる途端母親おふくろが止め様としたはずみ、田舎では大きな囲炉裏が切ってあります、上からは自在が掛って薬鑵やかんの湯がたぎって居た処へもろかえりまして、片面これからこれへ熱湯を浴びました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
片面はんおもてを、怪しきものの走るがごとくと暗くなった海に向けて、蝕あるすごき日の光に、水底みなそこのその悪竜の影に憧るる面色おももちした時、隼の力の容貌は、かえって哲学者のごときものであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)