片面はんおもて)” の例文
片面はんおもてを、怪しきものの走るがごとくと暗くなった海に向けて、蝕あるすごき日の光に、水底みなそこのその悪竜の影に憧るる面色おももちした時、隼の力の容貌は、かえって哲学者のごときものであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)