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はんたう
場所は、
立出でた
休屋の
宿を、さながら
谷の
小屋にした、
中山半島——
此の
半島は、
恰も
龍の、
頭を
大空に
反らした
形で、
居る
処は
其の
腮である。
再び
云ふ、
東向うに、
其八
雲、
日暮崎、
御室の
勝に
並んで
半島の
真中一
処、
雲より
辷つて
湖に
浸る
巌壁一千
丈、
頂の
松は
紅日を
染め、
夏霧を
籠めて
紫に、
半ば
山肌の
土赭く、
汀は
密樹緑林の
影濃かに