“やかま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.8%
八釜20.6%
4.6%
矢釜1.7%
1.3%
口喧0.8%
0.8%
0.8%
喧擾0.4%
0.4%
弥喧0.4%
弥囂0.4%
弥聒0.4%
煩聒0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三野村のような男にいつまでも係り合っていては後の身のためにならぬとやかましくいうのと、お園自身でだんだんそれとわかって来て
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
うつつから続いているようなその声は、急に八釜やかましく耳の底をき乱した。私はじっとそれを聞きながら、時に悲しい思いを胸にいだいた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やかましいなんて生意気な事を云いますね、いゝじゃア御座いませんか、貴方を身請してくのですから、大屋が何んたって構やアしません
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
筑前の大藤太郎と云ふ男が来て伊藤井上は薄情だとか卑怯だとか矢釜やかましく云つて居りましたが、龍馬は、ソンナに口惜しいなら長州へ行つて云へと、散々やり込めたのです。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
それを一々寝台の上からやかましいといって叱られていては仕事のしようがないのです。奥テル子さんもいらっしゃるしお暇をいただきとうございますと彼女は言い、私が黙ってエレベーターから降りた。
結局さんざん嘲弄ちょうろうされてから、解放されましたが、それからまた、バック台練習は、以前のように口喧やかましく、先輩達から怒鳴どなられるようになるし、怒鳴られるほど、またギゴチなくなって行きました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そこで父と衝突しようとつだ。父はもう期限きげんが來たからと謂ツてやかましく義務の實行を督促とくそくする、周三は其様な義務を擔はせられた覺は無いとかぶり振通ふりとほす。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
また南富田みなみとんだ村の金刀比羅ことひら社は、古え熊野の神ここに住みしが、海近くて波の音やかましとて本宮へ行けり。熊野三景の一とて、眺望絶佳の丘上に七町余歩の田畑山林あり。地震海嘯つなみの節大用ある地なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
エヽ喧擾やかましいわ、老耄おいぼれ、何にして食おうがおれの勝手、殊更内金二十両まで取って使って仕舞しまった、変改へんがいはとても出来ぬ大きに御世話、御茶でもあがれとあくまでののし小兎こうさぎつかわしまなざし恐ろしく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
段右衞門聲高にやかましい女め如何樣どんなにべら/\喋舌しやべるとも然樣そんなことは夢にも覺えはねえおのれはまアおそろしい阿魔あまだ女に似合にあは誣言事こしらひごと扨は三五郎のかたきと思ひ違へての惡口あくこうならん七人の子をなすとも女に心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
姉さん達は会の心得を三十分も説教して、しお行儀が悪いなら直ぐに床に入れて了うといって脅かした。広間へ行った時には、靴がギュウギュウ鳴って弥喧やかましい位だった。燈火あかりが沢山ついている。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ムネ・シユリイは「う初めのばかりを弥囂やかましく言はないで、しばらく待つて、次の句を皆言はせて下さい。うしたら何か貴下あなたが発見なさるでせう」
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
枝葉の事を弥聒やかましくいわれるよりは、いまわしい離婚沙汰などをいださぬように今の教育を根本から改めて、おのずから夫婦相和して行かれる完全な人格を作る事を心掛け
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
かれの安を妨ぐるものがなかつたなら、かれは口笛を吹き乍ら、さぞ面白く世を渡つた事でせう。然し煩聒やかましい女房は、かれの懶惰無頓着抔が、一家の破滅だといつて断えずかれを責めます。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)