“老耄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おいぼれ43.3%
ろうもう32.0%
おいぼ14.4%
もうろく6.2%
らうまう2.1%
おひぼれ1.0%
らうもう1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
病みあがりの蟷螂かまきりのやうなあの痩せこけた老耄おいぼれ親父にうまうまかたられてしまつたぞと、親友を侮辱したのも偽りのない事実であつた。
老耄ろうもうしていた。日が当ると茫漠ぼうばくとした影がたいら地面じべたに落ちるけれど曇っているので鼠色の幕を垂れたような空に、濃く浮き出ていた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
恐らく、それと共に、今日の僕の記憶力も、臨終の床に夢を見る老耄おいぼれどもの乾枯ひからびた脳髄と同じくらいに衰耗しているのに違いない。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
わしも自分の死期の解らぬまでには老耄もうろくせん、とても長くはあるまいと思う、其処そこで実は少し折入って貴公おまえと相談したいことがあるのじゃ」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
焔の色の薔薇ばらの花、強情がうじやうな肉をかす特製の坩堝るつぼほのほの色の薔薇ばらの花、老耄らうまうした黨員の用心、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
此子これが頭にこぶし一つ當てたる奴は、假令たとへ村長どのが息子にもせよ理非はとにかく相手は我れと力味たつ無法の振舞漸くつのれば、もとより水呑百姓の痩田一枚もつ身ならぬに、憎くき老耄おひぼれが根生骨
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
申す共八十五歳の老人らうじん後々のち/\さはりになることは申すまじよし申にもせよ老耄らうもう致し前後のわきまへ無と申さば少も其方の邪魔じやまには成申すまじ氣遣きづかひ無此方に案内致す可と申さるゝゆゑ大隅守殿には越前守殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)