“みず”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミズ
語句割合
75.2%
14.8%
不見1.5%
洪水1.5%
1.2%
1.2%
0.9%
冷水0.6%
海水0.6%
御豆0.3%
出水0.3%
水面0.3%
0.3%
液汁0.3%
0.3%
美豆0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひっきりなし、川のみずはくるくるまわるようなはやさで、うずをまいて、ふくれがり、ものすごいおとててわきかえっていました。
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
その好敵手こうてきしゅと思う者がしゅとしてみずから門閥の陋習ろうしゅうを脱したるが故に、下士はあたかも戦わんと欲してたちまち敵の所在をうしなうたる者のごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
二十七にはなつても世間不見みずのあの雅之、うも能うもおのれはだましたな! さあ、さあさかたきを討つから立合ひなさい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
うんと持って来たんじゃないか。この暴風雨あらしは、きっと半年分も降ると思ったから。——それに暴風雨がやんでも、この洪水みずはなかなか退かないにきまってるもの
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分みずから手を下さゞるにもせよ、一家の世帯は夢中に持てぬものなれば、娘の時より之に慣るゝこと大切なりと知る可し。
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼のいた所からは見えなかったが、その仕掛ははね釣瓶つるべになっているらしく、汲みあげられて来る水は大きい木製の釣瓶おけに溢れ、樹々の緑がみずみずしく映っている。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
頃日けいじつ脱稿だっこうの三十年史は、近時きんじおよそ三十年間、我外交がいこう始末しまつにつき世間につたうるところ徃々おうおう誤謬ごびゅう多きをうれい、先生が旧幕府の時代よりみずから耳聞じぶん目撃もくげきして筆記にそんするものを
ところが、洋燈ランプの石油はへって、ホヤは油煙で真っ黒くなる上に、朝寝坊になって、父が怒って、冷水みずをあいている口へつぎ込むことなど、仕置きされることが重なってしまった。
このあお海水みずの中へひたったら体も、碧く解けてしまやあしないだろうか——
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
前に夏の部で評釈した句「五月雨さみだれ御豆みず小家こいえ寝醒ねざめがち」
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
五月雨さみだれ御豆みず小家こいえ寝覚ねざめがち
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
見てごらんなさいな、随分念を入れて変りのいいのを集めたのよ。でも今年はいいのが大変少いんですって。去年の出水みずで流されてしまったのよ。
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
だがなんと、暗い河の水の油のように重くぎらぎらすることぞ! 水面みずを見ると怖い。
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
と、ばかり意気揚々、みずを渡って、この日征途に立ってしまった。——がしかし、これはやはり悪い前兆であったとみえる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人間の内心は実に変幻常なきもので、ちょっとうっかりしていると、いつの間にかもう怖ろしい蛆虫がわいて、そいつが忽ち人間の生命いのち液汁みずを遠慮会釈なく吸い取ってしまう。
言葉はなくても真情まことは見ゆる十兵衛が挙動そぶりに源太は悦び、春風みずを渡ってかすみ日に蒸すともいうべき温和の景色を面にあらわし、なおもやさしき語気円暢なだらか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
夕ちかく、道は八幡のへんにかかっていたが、対岸の美豆みずや山崎あたりの空はまっ赤だし、川面には兵舟の往来がしげく、どうも予定していた鳥羽までは行けそうもない。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何十里かぶっとばした後、馬も人もようやく疲れてくると、高原の中の小川を求めてそのほとりに下り、馬にみずかう。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)