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ぐんかんき
軍艦「
日の
出」の
甲板では、
後部艦橋のほとりより
軍艦旗飜る
船尾に
到るまで、
多くの
乘組は、
列を
正して、
我端艇の
歸艦を
迎へて
居る。
「ガーフ」に
懷かしき
我が
帝國の
軍艦旗を
飜せるかの
白色の
巡洋艦は、
此邊海底深くして、
錨を
投ずることも
叶はねば、
恰も
小山の
動搖ぐが
如く、
右に
左に
漂蕩して
居る。
其時、
先刻の
白色巡洋艦は
既に
吾が
輕氣球を
去る
事一
海里許の
海上に
進んで
來たので
船の
全體も
手に
取る
如く
見える、
今しも、ふと
其「ガーフ」の
軍艦旗を
認めた
武村兵曹は