“あご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アゴ
語句割合
50.8%
27.5%
10.1%
8.3%
1.3%
0.5%
0.5%
網子0.3%
英虞0.3%
足越0.2%
0.2%
吾子0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その中でも、敵の珍しい紋所と、父が敵の右あごに与えてあるはずの無念の傷跡とが、目ぼしい証拠として、彼の念頭を離れなかった。
仇討三態 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
此上甲子きね太郎のあごを取つたところで、大した收獲がありさうもないと見ると、平次は番頭の吉兵衞を呼んで、家中を案内させました。
鼻の外見的な恰好は純然たる希臘ギリシヤ型で、頬からあごへかけての抛物線パラボラと、小さな薄い唇が、ハッキリと波打っている恰好を見ますると
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それで暫らく二人の無邪気な会話は途切とぎれたが、着物を畳んでいるお君の手は休まない。米友は両手であごを押えて下を向いていたが
すこし落着きかけた婆さんの歯抜けあごが又もガタガタ言い出した。それに連れて和尚の顔色がバッタリと暗くなった。
彼女らは黒い着物をつけて、胸当てをしているが、その胸は聖ベネディクトの特別な命によって、あごの所まで上せてある。
『大智度論』には〈如意珠仏舎利よりづ、もし法没尽する時、諸舎利、皆変じて如意珠とる〉。『類函』三六四、〈『潜確類書』に曰く竜珠あごにあり蛇珠口にあり〉。
大宮おほみやうちまできこ網引あびきすと網子あごととのふる海人あまごゑ 〔巻三・二三八〕 長意吉麻呂
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
英虞あごうら船乗ふなのりすらむをとめ珠裳たまもすそしほつらむか 〔巻一・四〇〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
出口の腰障子につかまつて、敷居を足越あごさうとした奈々子も、振返りさまに兩親を見てにつこり笑つた。自分は其儘外へ出る。
奈々子 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
前へ立った漁夫りょうしの肩が、石段を一歩出て、うしろのが脚を上げ、真中まんなかの大魚のあごが、端をじっているその変な小男の、段の高さとおなじ処へ、生々なまなまと出て、横面よこづらひれの血で縫おうとした。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いはへる』は此處では、萬葉集卷十九の、『大船に眞楫まかぢしじ貫きこの吾子あごを韓國へ遣るいはかみたち』の例と同じく、『齋ひまもりて平安たひらかにあらしめ給へ神だちよ』(古義)といふ意味である。
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ボッとあけられている唇の形はまるで女のそれのように、愛らしくて優しかった。あごが円くて頬がふくよかでやはり女のそれのようであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
テッフェ河汀で小児が遊び居る所へアナコンダが潜み来て巻き付いて動き得ざらしめその父児のくを聞きて走り寄り、奮って蛇の頭を執らえ両あごき裂いたと言う。