“𣏾(くい)” の例文
神戸では窓から数名の労働者が𣏾(くい)を打ち込んでいるのを見た。その方法は、この日記のはじめの方で、すでに述べた。我々は今、彼等の歌の意味を知った。
「人間に𣏾(くい)を打ち込むなんていくら法律だってひでえとわっしは思いますよ。人間を殺すのだって十分ひでえが、𣏾(くい)を打ち込むなんて全くひでえこっでさあ、旦那。」
銭をじゃらじゃら鳴らせ、売上高の勘定を始めるのを見ると、許生員は𣏾(くい)から幅ったい日覆を外し、陳列してあった品物を手繰(たぐ)り寄せた。木綿類の畳物と綢(きぬ)類の巻物で、ぎっしり二た行李(こうり)に詰った。
蕎麦の花の頃 (新字新仮名) / 李孝石(著)