鬱陶うっと)” の例文
桔梗 お鬱陶うっとしかろうと思いまして。それには、申分のございませんお日和でございますし、遠山はもう、もみじいたしましたから。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青葉を吹く窓の風、外は海底のような深い緑で申分なく爽やかな小屋ですが、部屋の中は何となく鬱陶うっとしい空気が、古沼のようによどんでおります。
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
弁天様の御姿にも、蠅がたかれば、お鬱陶うっとしい。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)