高樹たかき)” の例文
その上へ、内地人には、異樣な高樹たかきが二三本路傍に生えてゐる間から、ゆふぐれの色が攻め寄せて來るのが見える。涼しい風が玄關からも、裏庭からも吹き通る。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
この御世に、兔寸うきの西の方に、高樹たかきあり。その樹の影、朝日に當れば、淡道あはぢ島におよび、夕日に當れば、高安山を越えき。かれこの樹を切りて、船に作れるに、いとく行く船なりけり。