霜夜鐘しもよのかね)” の例文
霜夜鐘しもよのかね」の正本しょうほん以来、わたしは芝居の正本や筋書を読むのを好むようになったが、どうも普通の芝居見物にゆくのは気が進まなかった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この男を見た時に、『霜夜鐘しもよのかね』の芝居に出る六浦正三郎むつらしょうさぶろうというのはこんな人だろうと思った。その時に彼は半紙にむかって「……………茶立虫ちゃたてむし」と書いていた。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かつて「霜夜鐘しもよのかね」などを読んだ時には、まだほんとうの子供であったので、そんなことは恐らく夢中で読み過したのであろうが、今になってよく注意して読んでみると、判らないことおびただしい。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)