雁皮紙がんぴ)” の例文
われに返ったように、雁皮紙がんぴへ絵筆を執り出したが、いくら描いても、反古ほごを作るばかりだった。そしてしまいには、無数の女の顔を、いたずらに描き初めた。その女の顔は皆、お可久に似ていた。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)