木村長門ながと薄田隼人生すすきだはいとのしょうら、名ある大将は、六日の戦いに多くは覚悟の討死を遂げてしまって、ただ真田左衛門さえもん長曾我部盛親ちょうそがべもりちかや、毛利豊前守ぶぜんのかみなどが、最後の一戦を待っているばかりであった。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)