錯倒症さっとうしょう)” の例文
とにかく、父や自分の仇敵きゅうてきである都会文化の猛威に対して、少しも復讐ふくしゅうの気持が起らず、かえって、その逞ましさにふるえて魅着みちゃくする自分は、ひょっとして、大変な錯倒症さっとうしょうの不良むすめなのではあるまいか。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)