迷宮ラビラント)” の例文
荷風先生といえば先生は戦前の玉の井を、しばしば「迷宮ラビラント」の名称で呼ばれていたが、ほんとうにあの町もわかりにくいおぼえにくい一郭だった。
艶色落語講談鑑賞 (新字新仮名) / 正岡容(著)
わたくしはむことを得ず自動車に乗り改正道路から環状線とかいう道を廻った。つまり迷宮ラビラントの外廓を一周して、伏見稲荷の路地口に近いところで降りた事があった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かのクレエト島の迷宮ラビラントにもゆめゆめ劣らぬ複雑多岐な大迷路を作り上げている。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)