踽〻然くゝぜん)” の例文
冬枯れ野辺を吹きすさむ風蕭〻せう/\衣裾もすそにあたり、落葉は辿る径を埋めて踏む足ごとにかさこそと、小語さゝやくごとき声を発する中を踽〻然くゝぜんとして歩む西行。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
随分退屈な旅だつたらうが、それでもまだしも仕合せな事には少しばかり漢詩を作るので、それを唯一の旅中の楽にして、踽〻然くゝぜんとして夕陽の山路や暁風の草径をあるき廻つたのである。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)