赤酒せきしゆ)” の例文
横山——左の蟀谷こめかみの上に二銭銅貨位な禿があつて、好んで新体詩の話などをする、二十五六のハイカラな調剤助手に強請ねだつて、赤酒せきしゆの一杯二杯を美味さうに飲んで居ると、屹度誰か医者が来て
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「この中には、和蘭渡おらんだわたり赤酒せきしゆがある。ほんの少しばかりだが、その味の良さといふものは、本當にこれこそ天の美祿といふものだらう。ほんの一杯づつだが、皆んなにわけて進ぜ度い。さア、年頭としがしらの七平から」