この嬰児ややこそ、西方弥陀如来さいほうみだにょらいのご化身けしんぞとおもうて、よくよくいつくしまれたがよい——と、母体の君の枕べを、数珠じゅずをもんで伏し拝んで去ったということ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)