袍衣ほうい)” の例文
彼の着物は、昨日ローマ教の敵を焼いたときに、人民の前で着ていたような、きらびやかな大僧正の袍衣ほういではなく、古い粗末な法衣であった。
こんな時には、予め気のきいた家来が霊廟の別当に袖の下を使っておいて、茣蓙ござを当てがって貰ったものであるが、ぼんくらの家来を持った大名は袍衣ほういが肌まで濡れ通った。
増上寺物語 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)