虚空音こくうおん)” の例文
落日と共にあらゆる虚空音こくうおんも雲の果てに吸い込まれたような一ときだった。そこの人馬や波の模様も靄々あいあいとしておぼろである。ただ合図の煙だけが白くまっすぐに立ちのぼる。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)