蘇芳すほう)” の例文
首筋が蘇芳すほうでも塗ったように真赤なところまでおなじだ。ちょうどウェルズの未来小説に出てくる〈科学人間〉にそっくりな感じだった。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
何しろ一刀ひとかたなとは申すものの、胸もとの突き傷でございますから、死骸のまわりの竹の落葉は、蘇芳すほうみたようでございます。いえ、血はもう流れては居りません。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)