蕗子ふきこ)” の例文
彼女は本当は蕗子ふきこというのだが、顔のしゃくれた小柄の愛くるしい女で、仲間が誰云うとなくおべ子というわけの分らぬ愛称をつけ、いかにもそれが似合っているので皆に愛されている女中だった。
正体 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
蕗子ふきこが殺されたのは、その晩の僅かな時間のあいだでした……。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)