蓊欝おうゝつ)” の例文
路は薄暮に近き山間を縫ひて、杉樹さんじゆ蓊欝おうゝつと繁茂せるところ、髣髴はうふつとして一大奇景の眼下によこたはれるを見る。されど崖高く、四邊深黒にして容易に之を辨ずる能はず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)