通りかかった火の番小屋の中から、疳高かんだか浪花節なにわぶしの放送がれてきた。声はたいへんゆがんでいるけれど、まさしく蒼竜斎膝丸そうりゅうさいひざまるの「乃木将軍墓参のぎしょうぐんぼさんの旅」
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)