すずな)” の例文
卑弥呼は藁戸の下へ蹲踞うずくまると、ひとりすずなを引いては投げ引いては投げた。月は高倉の千木ちぎを浮かべて現れた。森の柏の静まった葉波は一斉に濡れた銀のうろこのように輝き出した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)