芝蘭しらん)” の例文
しかしわたしはいまだかつて感得したことが無い。わたしは長くここに住んでいるから「芝蘭しらんの室に入れば久しうしてその香を聞かず」
鴨の喜劇 (新字新仮名) / 魯迅(著)
今宵は芝蘭しらんの鉢の香りゆかしき窓、茶煙一室をめ、沸る湯の音のびやかに、門田の蛙さへ歌声かせいを添へて、日頃無興にけをされたる胸も物となく安らぎ候まゝ、思ひ寄りたる二つ三つ
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)