芝琴平社しばこんぴらしゃ)” の例文
夏の初、月色ちまたに満つる夜の十時ごろ、カラコロと鼻緒のゆるそうな吾妻下駄あずまげたの音高く、芝琴平社しばこんぴらしゃの後のお濠ばたを十八ばかりの少女むすめ赤坂あかさかの方から物案じそうに首をうなだれて来る。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)