“舢舨”の読み方と例文
読み方割合
サンパン100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
波打際のベンチにはロシヤ人の疲れた春婦たちが並んでいた。彼女らの黙々とした瞳の前で、潮にさからった舢舨サンパンの青いランプがはてしなく廻っている。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
ふと見ると、上流から下って来た大きないかだが、その上に土をせ、野菜の畑を仕立てて流れていた。その周囲の水の上で、舢舨サンパンが虫のように舞い歩いた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
舢舨サンパン。繁殖したマスト。城壁のように続いた船舶。河水の色の変り目の上で舞うぼろ帆。甲谷の車の速力へ、今は一切の風物が生彩を放って迫って来た。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)